あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
「あ、俺そろそろ行くな。クラスの店番あるからさ」

「……うん、ありがとう」

じゃなくて、ちゃんと言わないと。

「ゆっくり休めよ」

そう言って去り行く背中に、勇気を出して声をかけた。

結果がどうであれ、素直にならないと。別れたときに結人くんに言われた言葉を思い出した。


「遥!」

「ん?」

「十八時、……十八時に、あの公園で待ってる」

待ってても何も始まらない。機会は自分から作らないと。


驚いた顔で私を見る遥。

「……遥に、言わなきゃいけないことがあるんだ」

遥は俯いて、答えるまでに少しの間があった。

「ん、わかった。俺も奈央と話がしたい」

遥の背中を見送って、私は決めたんだ。
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