あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
「あともう一つの約束。奈央が小さい頃、この公園で俺にプロポーズしてきたこと、本当は覚えてた」
「……えっ?」
予想外の告白だった。
「その話されたとき、奈央は大野と付き合ってたからから、言わない方がいいだろうと思って言わなかった」
「遥がなんて答えたのかも覚えてる?」
「もちろん覚えてるよ。奈央が覚えてなかったのは残念だけど」
『大人になったら、遥のお嫁さんになりたい』たしかに私はそう言った。
……ただ、今の今まで、遥がなんて答えたのかを思い出せないでいた。
「遥、なんて答えたの?」
「『大人になったらもう一度、俺から奈央にプロポーズさせて』って言った」
……なんとなく想像ができて、うっすら記憶がよみがえってきた気がする。
「遥の方がませてるじゃん。幼稚園児でしょ。普通そんなこと言う?」
「それはお互い様だろ?」
普通の幼稚園児じゃ絶対に言わない。でも遥だったらありえるかも。
想像してみたら可笑しかった。
「それで、その約束はどうなるの?」
期待を込めて聞いてみた。
「お互いの想いがあるうちは、約束は有効だよ。ただその約束、もっと具体的にしてもいい?」
「具体的にって?」
「俺が社会人になって、なにがあっても奈央を一生守っていけるぐらいの自信が持てたら、そのときは俺からプロポーズする」
「ふふっ、随分と覚悟を決めましたね。じゃあ、それが次の約束だね。約束は絶対だよ」
照れて笑ってしまったけど、嬉しかった。
私は小さいときによくしていたように、遥に小指を出した。
「約束は、どんなことがあっても必ず守るよ」
遥の言葉は信用できる。どんなことがあっても、私は遥を待ち続けられるよ。
——遥の小指と私の小指が重なった。
「……えっ?」
予想外の告白だった。
「その話されたとき、奈央は大野と付き合ってたからから、言わない方がいいだろうと思って言わなかった」
「遥がなんて答えたのかも覚えてる?」
「もちろん覚えてるよ。奈央が覚えてなかったのは残念だけど」
『大人になったら、遥のお嫁さんになりたい』たしかに私はそう言った。
……ただ、今の今まで、遥がなんて答えたのかを思い出せないでいた。
「遥、なんて答えたの?」
「『大人になったらもう一度、俺から奈央にプロポーズさせて』って言った」
……なんとなく想像ができて、うっすら記憶がよみがえってきた気がする。
「遥の方がませてるじゃん。幼稚園児でしょ。普通そんなこと言う?」
「それはお互い様だろ?」
普通の幼稚園児じゃ絶対に言わない。でも遥だったらありえるかも。
想像してみたら可笑しかった。
「それで、その約束はどうなるの?」
期待を込めて聞いてみた。
「お互いの想いがあるうちは、約束は有効だよ。ただその約束、もっと具体的にしてもいい?」
「具体的にって?」
「俺が社会人になって、なにがあっても奈央を一生守っていけるぐらいの自信が持てたら、そのときは俺からプロポーズする」
「ふふっ、随分と覚悟を決めましたね。じゃあ、それが次の約束だね。約束は絶対だよ」
照れて笑ってしまったけど、嬉しかった。
私は小さいときによくしていたように、遥に小指を出した。
「約束は、どんなことがあっても必ず守るよ」
遥の言葉は信用できる。どんなことがあっても、私は遥を待ち続けられるよ。
——遥の小指と私の小指が重なった。