アンドロイド・ニューワールド
しかし。
問題が起きたのは、その後。
化学の授業のときです。
東棟のエレベーターを使って、例の遠回りをして理科室に辿り着いたとき。
授業開始のチャイムから、既に3分近くたっていました。
これでも、道中の廊下は急ぎ足で来たのですが。
残念ながら、エレベーターの速度までは変えられませんからね。
致し方ない犠牲でしょう。
二人仲良く、遅刻の屍です。
しかし。
理科室に入るなり、化学教師は溜め息をつき。
「何だ、お前ら。また重役出勤か?」
遅れてやって来た私と奏さんに、そう言いました。
「全く良いご身分だな。一度でもチャイムに間に合ったことあるか?もっと早く来れないのか?ったく…」
と、化学教師は再度、わざとらしいほど深々とした溜め息をつきました。
そのときの奏さんは、まるで消え入りそうなほどに縮まって、決まり悪そうにしていました。
成程。
このような人に、このようなことを言われるから。
彼は、私と友達になることを躊躇したのですね。
理解しました。
ならば、私がこのようなことを言われたとき、どのように対応するのか。
奏さんにも、見て、聞いてもらうとしましょう。
「あなたこそ、良いご身分ですね」
と、私は化学教師に向かって言いました。
問題が起きたのは、その後。
化学の授業のときです。
東棟のエレベーターを使って、例の遠回りをして理科室に辿り着いたとき。
授業開始のチャイムから、既に3分近くたっていました。
これでも、道中の廊下は急ぎ足で来たのですが。
残念ながら、エレベーターの速度までは変えられませんからね。
致し方ない犠牲でしょう。
二人仲良く、遅刻の屍です。
しかし。
理科室に入るなり、化学教師は溜め息をつき。
「何だ、お前ら。また重役出勤か?」
遅れてやって来た私と奏さんに、そう言いました。
「全く良いご身分だな。一度でもチャイムに間に合ったことあるか?もっと早く来れないのか?ったく…」
と、化学教師は再度、わざとらしいほど深々とした溜め息をつきました。
そのときの奏さんは、まるで消え入りそうなほどに縮まって、決まり悪そうにしていました。
成程。
このような人に、このようなことを言われるから。
彼は、私と友達になることを躊躇したのですね。
理解しました。
ならば、私がこのようなことを言われたとき、どのように対応するのか。
奏さんにも、見て、聞いてもらうとしましょう。
「あなたこそ、良いご身分ですね」
と、私は化学教師に向かって言いました。