アンドロイド・ニューワールド
心理テストじゃない?

「何か間違っていましたか?」

「心理テストって言ったら…そんな、身体的な特徴じゃなくて、本人も自覚してない、精神的な深層心理を明らかにするものじゃないの?」

「…成程」

と、私は言いました。

一理あります。

それに見たところ、奏さんの身体に、鱗らしきものは見られません。

身体的特徴ではなく、精神的特徴ですか…イグアナの…。

「思いつきました」

「思いついたって…何を?」

「実は、案外人に慣れます」

「…そうなんだ…」

「従って、奏さんは人懐っこい性格をしている、と判断しましょう」

「…そうなの…?」

と、奏さんは聞きました。

懐疑的ですが、しかしこれで、心理テストとしての筋は通りました。

「奏さんは、人懐っこい性格だったのですね。知りませんでした」

「…俺も知らなかったよ…」

と、奏さんは言いました。

自分でも意識していない、その人の深層心理を暴いている訳ですね。

実に、心理テストっぽくなってきました。

「ちなみにそれ、ヘビとかワニを選んでたらどうなってたの?」

と、奏さんは尋ねました。

自分が選ばなかった選択肢の結果を知りたがるとは。

贅沢ですね。

しかし私は、奏さんのお友達なので。

教えてあげることにします。

「ヘビを選んでいたら、その人の特技はとぐろを巻くことです」

「…」

「ワニを選んだ人は、尻尾が長く水泳が上手で、そして肉食です」

「…人間じゃないでしょ…」

と、奏さんが呟いていましたが。

特に気にせず、続きを始めましょう。

「では二問目です」

「まだやるの?」

「あなたは夢を見ています」

「うん」

「ふと気がつくと、あなたはあるところにいました。それは以下の4つのうち、何処でしょう」

と、私は言いました。

「選択肢は?」

「1、廃墟。2、砂漠のど真ん中。3、心霊トンネル。4、深海。さて何処でしょう?」

「…嫌な場所ばっかだなぁ…」

と、奏さんは言いました。
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