アンドロイド・ニューワールド
「私、何か間違ったことをしましたか?」

「いや…。間違ってはないんだろうけど…。…小学生の女の子みたい…」

「…?」

「あ、いや何でもない…」

と、奏さんは言いました。

そうですか。では改めて。

「そんな乾燥肌の奏さんには、今度ハンドクリームをプレゼントしますね」

「いやいや、俺、別に潤いを求めてる訳じゃないから。ちゃんと潤ってるから。大丈夫」

「そうなんですか?」

「だから、もっと精神的な特徴を…。…ああもう、何て言ったら良いのか…。あ、そうだ」

と、奏さんは言いました。

何かを閃いたようです。

「瑠璃華さんは?その選択肢の中で、どれを選ぶ?」

「私は地獄です」

「…即答…」

と、奏さんは呟きましたが。

特に意味はありません。何となく、最初に頭に浮かんだのが、5つ目の選択肢だったというだけの話です。

「地獄を選んだ人は、どうなるの?」

「私は人ではありませんが、人であると仮定して、地獄を選んだ人は…」

と、私は少し考えながら言いました。

…あれ?

「…死んでますね」

「…死んでるよ…」

「私は『新世界アンドロイド』で良かったです。うっかり人間だったら、私は今頃、地獄に落ちていたところです」

「瑠璃華さんは人間でもアンドロイドでも、地獄には落ちないよ」

「そうですね。まず、天国と地獄が本当に存在するのか、という永遠の命題に挑戦しなければなりません」

と、私は答えました。

この命題に関しては、結論を出すのはとても難しいでしょう。

似たような命題として、神は存在するのか、というものがありますね。

しかし。

「そういう意味じゃないんだけどな…」

と、奏さんはこれまた、呆れ気味に言いました。

…どういう意味でしょう?

尋ねてみようかと思ったのですが。

そろそろ昼休みが終わりそうだったので、断念せざるを得ませんでした。
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