アンドロイド・ニューワールド
いざ、奏さんは問題を解き始めました。
第一章は、難易度の低い基礎問題です。
まずは小手調べ、といったところですね。
この事典で躓いていたら、教えるのは大変そうだと思いましたが。
さすがに基礎問題は、特に考え込むこともなく。
10分ほどで、奏さんは第一章をクリアしました。
ふむ、基礎は出来ていると言ったところですね。
そして、続く第二章。
ここから、問題の難易度が上がっていきます。
すると。
「…うーん…」
と、奏さんは唸りました。
そして、手が止まってしまいました。
第二章、第二節の文章問題ですね。
成程。苦手と自覚しているだけありますね。
「難しいですか?」
「ごめん…」
「謝る必要はありません」
と、私は言いました。
分からないことを、分からないと言うことは、何も恥ずかしいことではありません。
むしろ、分からないことを黙っていて、不正解を連発する方が、余程恥ずかしいでしょう。
「教えてもらえるかな…」
「分かりました。お任せください」
と、私は言いました。
何せ、自分で作った問題なので。
何でも聞いてください。
「まず、何処までは理解していますか?」
「…えぇと…。申し訳ないんだけど…全然分かってない…」
「成程」
と、私は言いました。
重症ですね。
「まずこの問題文の出典は、『ルティス帝国英雄伝』です」
「あ、うん…。それは分かるけど…」
と、奏さんは言いました。
引用している作品は分かっているのですね。それは良かったです。
それさえ分かっていなかったら、まず昔話から始めなければならないところでした。
「『ルティス帝国英雄伝』は、古文学では有名所の長編作品ですからね。かなりの高確率で、様々な試験問題に引用されています」
「確かに…。授業でも習ったもんね」
「はい」
と、私は答えました。
習ったとはいえ、教科書に載っているのは、精々『ルティス帝国英雄伝』の一節に過ぎません。
全文を載せていたら、古文の教科書の分厚さが、大変なことになりますからね。
一部を抜粋して教科書に載せ、その部分だけを授業で取り上げているに過ぎません。
よって。
試験問題で、『ルティス帝国英雄伝』からの引用で、今度は別の章を抜粋して、試験問題にしている可能性は、非常に高いと言えるでしょう。
私の収集したデータでも、非常に高い確率で、古文の試験問題に『ルティス帝国英雄伝』からの引用問題が見られます。
この作品に対する対策を立てておくのは、最低限の努力でしょう。
第一章は、難易度の低い基礎問題です。
まずは小手調べ、といったところですね。
この事典で躓いていたら、教えるのは大変そうだと思いましたが。
さすがに基礎問題は、特に考え込むこともなく。
10分ほどで、奏さんは第一章をクリアしました。
ふむ、基礎は出来ていると言ったところですね。
そして、続く第二章。
ここから、問題の難易度が上がっていきます。
すると。
「…うーん…」
と、奏さんは唸りました。
そして、手が止まってしまいました。
第二章、第二節の文章問題ですね。
成程。苦手と自覚しているだけありますね。
「難しいですか?」
「ごめん…」
「謝る必要はありません」
と、私は言いました。
分からないことを、分からないと言うことは、何も恥ずかしいことではありません。
むしろ、分からないことを黙っていて、不正解を連発する方が、余程恥ずかしいでしょう。
「教えてもらえるかな…」
「分かりました。お任せください」
と、私は言いました。
何せ、自分で作った問題なので。
何でも聞いてください。
「まず、何処までは理解していますか?」
「…えぇと…。申し訳ないんだけど…全然分かってない…」
「成程」
と、私は言いました。
重症ですね。
「まずこの問題文の出典は、『ルティス帝国英雄伝』です」
「あ、うん…。それは分かるけど…」
と、奏さんは言いました。
引用している作品は分かっているのですね。それは良かったです。
それさえ分かっていなかったら、まず昔話から始めなければならないところでした。
「『ルティス帝国英雄伝』は、古文学では有名所の長編作品ですからね。かなりの高確率で、様々な試験問題に引用されています」
「確かに…。授業でも習ったもんね」
「はい」
と、私は答えました。
習ったとはいえ、教科書に載っているのは、精々『ルティス帝国英雄伝』の一節に過ぎません。
全文を載せていたら、古文の教科書の分厚さが、大変なことになりますからね。
一部を抜粋して教科書に載せ、その部分だけを授業で取り上げているに過ぎません。
よって。
試験問題で、『ルティス帝国英雄伝』からの引用で、今度は別の章を抜粋して、試験問題にしている可能性は、非常に高いと言えるでしょう。
私の収集したデータでも、非常に高い確率で、古文の試験問題に『ルティス帝国英雄伝』からの引用問題が見られます。
この作品に対する対策を立てておくのは、最低限の努力でしょう。