アンドロイド・ニューワールド
更に。
その後、他の科目にも取り組み。
奏さんの、各科目の理解度を把握したので。
私はその日の夜、また一晩かけて。
各科目、奏さんの理解度に合わせた、手書きの練習問題冊子を作り上げました。
そして翌日、それを奏さんに渡したところ。
「うわっ…。また作ったの…!?」
「はい」
と、私は答えました。
何ということもない作業だったのですが、何故か奏さんは、呆然としていました。
理解不能です。
「る、瑠璃華さん…。何日も夜更しして…ちゃんと寝てる…?」
と、奏さんは聞きました。
「『新世界アンドロイド』に、睡眠は必要ありません。強いて言うなら、定期メンテナンス時に、一時的に意識をシャットダウンするだけです」
「うん。いや…でも、ちゃんと寝てね…?俺のことは良いから…」
と、奏さんは言いました。
「そして我が家は、夜になるととても賑やかなので、睡眠に適した寝場所とは言えません」
と、私は言いました。
「え?それどういう意味?」
「言葉通りの意味です。とても賑やかなんですよ。右隣では、毎夜夫婦喧嘩の声が聞こえてきますし、左隣では、大学生らしき青年が友達を呼んで、どんちゃん騒ぎしています」
「…!?」
「更に上の階からは、下手くそなギターの音が聞こえてきます。ついでに言うと、私の住むアパートは線路が近いので、夜中でも列車の通る音がよく聞こえます」
「…」
「夜に一人でも、ちっとも退屈しませんよ。昨日の夫婦喧嘩の内容なんて、『靴下を裏返しにしたまま洗濯機に入れる』という行為について、日付が変わるまで怒鳴り合って議論していました。とても興味深い話題でした」
と、私は言いました。
「ちゃんと表にしてから洗濯機に入れろ!」という奥さんの主張と。
「そんな面倒臭いこと、いちいちやっていられるか!」という旦那さんの主張が対立し合い。
とても興味深かったですね。
「二人がどういう結論を出すのか、気になっていたのですが…。最終的に二人は、『もう良い!寝る!』の一言で、議論をやめてしまって…。最後まで聞けず、残念でした」
「…瑠璃華さん…」
と、奏さんは反応に困ったような顔で言いました。
「何て言うか、その…。…大変だね、毎晩…」
「?何がですか?」
と、私は聞きました。
とても賑やかで、退屈しない部屋ですよ?
「ううん…。あ、これ…練習問題、ありがとう…」
「いいえ。少しでも奏さんのお力になれたら、私はそれで満足です」
と、私は答えました。
その後、他の科目にも取り組み。
奏さんの、各科目の理解度を把握したので。
私はその日の夜、また一晩かけて。
各科目、奏さんの理解度に合わせた、手書きの練習問題冊子を作り上げました。
そして翌日、それを奏さんに渡したところ。
「うわっ…。また作ったの…!?」
「はい」
と、私は答えました。
何ということもない作業だったのですが、何故か奏さんは、呆然としていました。
理解不能です。
「る、瑠璃華さん…。何日も夜更しして…ちゃんと寝てる…?」
と、奏さんは聞きました。
「『新世界アンドロイド』に、睡眠は必要ありません。強いて言うなら、定期メンテナンス時に、一時的に意識をシャットダウンするだけです」
「うん。いや…でも、ちゃんと寝てね…?俺のことは良いから…」
と、奏さんは言いました。
「そして我が家は、夜になるととても賑やかなので、睡眠に適した寝場所とは言えません」
と、私は言いました。
「え?それどういう意味?」
「言葉通りの意味です。とても賑やかなんですよ。右隣では、毎夜夫婦喧嘩の声が聞こえてきますし、左隣では、大学生らしき青年が友達を呼んで、どんちゃん騒ぎしています」
「…!?」
「更に上の階からは、下手くそなギターの音が聞こえてきます。ついでに言うと、私の住むアパートは線路が近いので、夜中でも列車の通る音がよく聞こえます」
「…」
「夜に一人でも、ちっとも退屈しませんよ。昨日の夫婦喧嘩の内容なんて、『靴下を裏返しにしたまま洗濯機に入れる』という行為について、日付が変わるまで怒鳴り合って議論していました。とても興味深い話題でした」
と、私は言いました。
「ちゃんと表にしてから洗濯機に入れろ!」という奥さんの主張と。
「そんな面倒臭いこと、いちいちやっていられるか!」という旦那さんの主張が対立し合い。
とても興味深かったですね。
「二人がどういう結論を出すのか、気になっていたのですが…。最終的に二人は、『もう良い!寝る!』の一言で、議論をやめてしまって…。最後まで聞けず、残念でした」
「…瑠璃華さん…」
と、奏さんは反応に困ったような顔で言いました。
「何て言うか、その…。…大変だね、毎晩…」
「?何がですか?」
と、私は聞きました。
とても賑やかで、退屈しない部屋ですよ?
「ううん…。あ、これ…練習問題、ありがとう…」
「いいえ。少しでも奏さんのお力になれたら、私はそれで満足です」
と、私は答えました。