アンドロイド・ニューワールド
私が、まず最初にすべきこと。

それは、この対戦を確実に勝利することです。

棒の総獲得数も大事ですが、まずは自分のグループで勝ち星を上げておかなければ。

まずは、4本を確実に先取する。

それ以上は、まず勝ちが決まってからです。

よって、私は狙われにくいであろう、敢えて端の棒に直行しました。

しかし、相手も同じことを考えていたらしく。

数人の敵兵士が、私の狙う左端の棒に、狙いを定めています。

ですが、『新世界アンドロイド』の瞬発力と脚力を、舐めてもらっては困ります。

私は、誰よりも早く棒のもとに辿り着き。

まずは、一番左の棒を奪取。

この時点で敵兵士は、まだ棒を握るどころか、ほとんど到達もしていません。

ならば、チャンスです。

『新世界アンドロイド』は、突発的な出来事に対する的確な判断力を養うよう、常々訓練されています。

今こそ、この訓練を活かすとき。

続けて私は、今しがた掴んで脇に抱えた棒の隣。

左から二番目の棒を掴みました。

二兎を追う者は一兎をも得ず、とは言いますが。

戦場の基本は、何でも取れる時に取っておくのが常。

ここは贅沢に、二兎を追わせて頂きます。

しかし。

私が2本目の棒を掴んだとき、敵兵士三人が、そうはさせじと、2本目の棒にしがみつきました。

やりますね。

豪華2本取りは許さない、ということですか。

ですが私は、有言実行のアンドロイドです。

一度掴んだ獲物を、諦めることはありません。

そして、『新世界アンドロイド』の腕力は、そこらの雑兵の比ではありません。

私は、三人の敵兵がしがみついたままの棒を、そのままずるずると引き摺って、自陣に向かって強引に走りました。

途中で、敵兵がバタバタバタ、と三人共地面に倒れていましたが。

それは気にしないことにします。

戦場ですからね。些末なことには構っていられません。

むしろ私は、これで敵兵を三人、無力化したことになります。

無事、2本取り成功です。
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