アンドロイド・ニューワールド
ワニエリアは、まだ続きます。

「お次は…ナイルワニだそうですよ」

「うわっ…。大きい…」

と、奏さんは良いました。

確かに大きいですね。

ニシキヘビも、対戦相手としてはなかなか良い線を行っていましたが。

こちらもまた、興味をそそられる対象です。

見たところ、5メートルくらいはありますね。

私の背丈より、遥かに大きいですね。

しかし、自分より大きなものと戦うとなれば、それだけ士気も上がるというもの。

しかも。

「見て。人食いワニだって書いてあるよ…。こんな大きなワニに襲われたら、ひとたまりもな、」

「なかなかの好敵手ですね。しかも、此奴のフィールドは水辺…。地上を歩く我々にとっては、不慣れな地形です。このワニと戦うときには、まず湿地帯という地形条件に充分対策して、かつ頑丈なロープで素早く…」

「あ、うん…。瑠璃華さんなら、良い勝負出来ると思うよ…」

と、奏さんは言いましたが。

よく聞いていませんでした。

このワニと対戦するときのシュミレーションに夢中になっていました。

「奏さん、今何か言いました?」

「…ううん、何でもない。瑠璃華さんなら大丈夫だよ」

と、奏さんは乾いた笑顔で言いました。

何かあったのでしょうか。

もしかしたら奏さんの前世は、ヘビではなく、ワニに食べられて終わったのかもしれません。

それなら、ワニを敬遠するのも当然ですね。

ワニエリアも、一通り見たら、すぐ次のエリアに行くとしましょう。

「…対決は、またの機会にお預けですね」

「…対決は…しなくて良いと思うよ…」

と、奏さんは小声で呟きました。
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