アンドロイド・ニューワールド
…その日の夜。

その日は、『Neo Sanctus Floralia』との定期連絡の日でした。

『やっほー瑠璃華ちゃん。元気〜?』

と、ノートパソコン越しに、久露花局長は言いました。

相変わらず、この方の挨拶は「やっほー」で固定されているのですね。

私も今度から、奏さんに使ってみましょうか。

とりあえず今は、目の前に久露花局長がいるので。

「やっほー久露花局長。やっほー朝比奈副局長」

『う、うん…や、やっほー…』

と、局長は戸惑い気味に答えました。

何でしょう。自分は軽快に使う挨拶なのに、私が使うと戸惑うのですか。

それは不平等というものでは?

それともこの挨拶は、久露花局長にのみ許された特権なのでしょうか。

それなら、みだりに使用するのは控えた方が良いかもしれません。

『そ、それで瑠璃華ちゃん』

「何ですか?」

『あれから進捗状況はどう?奏君と仲良くなれた?』

と、局長は聞きました。

とても良い質問です。

よくぞ聞いてくれました、と言うべきでしょうか。
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