アンドロイド・ニューワールド
ならば、こちらはどうでしょう。

『あ、あのね瑠璃華ちゃん。お友達と出かけるときは、もっとこう、定番のスポットがあるでしょ?遊園地とか、水族館とか…』

「はい。水族館なら、今日行ってきました」

と、私は言いました。

丁度、その話をしようと思っていたところです。

『え?二週連続で付き合ってくれたの?』

「はい。快く承諾してくれましたよ」

と、私は言いました。

すると。

『…翠ちゃん。やっぱりこれって…』

『はい…。きっとその方は、瑠璃華さんに気があるんでしょうね』

と、局長と副局長がボソボソ話していました。

何が言いたいのか、理解不能です。

『そっか〜!水族館か〜良いなぁ。高校生の若い男女が、仲良く水族館デート!これぞ青春って感じだなぁ〜』

『良かったです。瑠璃華さんも、普通の女の子が行きたがるような場所に、ちゃんと行ったんですね』

と、局長は副局長は言いました。

…普通の女の子が行きたがらない場所とは、何処なのでしょう?

興味があれば、何処でも行きたがる場所になるのでは?

『何見てきたの?イルカショーとか?ペンギンの行進とか?』

と、局長は聞きました。

イルカショー?ペンギンの行進?

何ですか、それは。

「そのようなものは、一切見ていませんが…」

『え、見てないの?水族館の定番かなと思ったんだけど…。じゃあ、どんなお魚がいた?』

「サメです」

と、私は答えました。

『…』

と、久露花局長はしばしポカンとして。

『そ、そっか。サメか。サメはいるよね、どの水族館にも』

「はい」

と、私は答えました。

深海にも、様々なサメが生息しているのだと確認出来ました。

『他には何を見たの?』

「カニですね」

と、私は答えました。

『…』

と、久露花局長はしばしポカンとして。

『そ、そっか。カニか。カニもいるよね、どの水族館でも』

「はい」

と、私は答えました。

深海にも、様々なカニが生息しているのだと確認出来ました。

『他には何を見たの?』

「グソクムシです」

『何見てきてるの!?』

と、局長は声を荒らげて言いました。

今度は、無言じゃありませんでしたね。
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