アンドロイド・ニューワールド

…いきなり、担任教師に声をかけられてしまいました。

私はこれから、奏さんと久し振りに体育館に行って。

奏さんの、酷使した脳みそをリフレッシュする為に、バドミントンをしようと思っていたのですが。

しかし、担任教師に呼ばれたとなれば、無視することは出来ません。

「別に構いませんが…長くなりますか？」

と、私は聞きました。

もし話が長くなるなら、奏さんとのバドミントンは諦めることになります。

その間、奏さんを待たせる訳にはいきません。

もし話が短いのなら、奏さんにしばし待ってもらって、その後改めて体育館に行こうと思ったのです。

すると。

「大丈夫、大丈夫。ちょっと確認したいことがあるだけだから」

と、佐賀来教師は言いました。

確認したいこと…何でしょうね。覚えがありません。

しかし、話が短く終わるなら、何でも構いません。

「分かりました。では行きましょう。…奏さん、少し待っていてもらえますか？」

と、私は言いました。

「うん、分かった」

と、奏さんは答えました。

仕方なく、私は奏さんを教室に置き去りにして。

佐賀来教師について、職員室に向かいました。

そういえば、職員室に来るのは久し振りですね。

転入初日以来ではないですか？

私は佐賀来教師と共に職員室に入り、佐賀来教師のデスクまで歩きました。

すると、佐賀来教師のデスクの上に、期末試験の解答用紙一式が、一人分、置かれていました。

しかも、名前の欄を見ると、私の名前です。

つまり、私がこの度の期末試験で記入した解答用紙一式が、ここにあるということですね。

何故、今これを私に見せるのでしょう？

採点した解答用紙を生徒に返却するのは、もう少し後では？

すると。

「久露花さん、単刀直入に聞くけど」

と、佐賀来教師は言いました。

「はい、何ですか？」

「あなた、もしかしてカンニングしたんじゃないでしょうね？」

と、佐賀来教師は聞きました。

とても懐疑的で、しかも軽蔑したような目で。