アンドロイド・ニューワールド
…それで、話を戻しますが。
私の名前が一位の欄に乗っているということは。
結局、私の不正行為は認められなかったと判断されたんですね。
証拠がないし、本人も否定しているのだから、学校側としては引き下がる他ないでしょう。
次は二学期の中間試験がありますから、そのときにまた、私の実力を披露してさしあげましょう。
「おめでとう、瑠璃華さん。本当におめでとう」
「ありがとうございます。でも奏さんも入賞してるからおめでたいですよ」
「あ、そうだっけ?でもなんか、自分の方は実感ないや。瑠璃華さんのお陰だよ。ありがとう」
「どういたしまして」
と、私と奏さんは話していました。
すると。
「…?」
と、私は無言で振り向きました。
何処かから、視線を感じたのです。
何奴、と思って振り向きましたが。
そのときには既に、視線を逸らされ、誰がこちらを見ていたのか分からなくなってしまいました。
皆、私ではなく、貼り出された成績上位者リストを眺めています。
すると、あることに気づきました。
ここは高校一年生の掲示板で、基本的には高校一年生を対象にした掲示物しか貼り出されません。
他の階の掲示板には、それぞれその学年の成績上位者リストが貼り出されているはずです。
それなのに、高校一年生の掲示板を見つめている生徒の中に、一人、三年生の男子生徒が混じっていました。
ちょっと離れた位置から、遠目に掲示板を眺めています。
…あの人、高一の掲示板なんか見て、何してるんでしょうか?
弟か妹でもいるんでしょうかね?
「?瑠璃華さん、どうかした?」
と、奏さんは尋ねました。
「いえ、何でもありません」
と、私は答えました。
彼が何の目的で、高一の掲示板を見に来たのかは知りませんが。
いかなる理由であろうとも、私には関係のないことです。
そう思って、私はその男子生徒を見なかったことにしました。
今は、目先の栄誉を喜ぶとしましょう。
私の名前が一位の欄に乗っているということは。
結局、私の不正行為は認められなかったと判断されたんですね。
証拠がないし、本人も否定しているのだから、学校側としては引き下がる他ないでしょう。
次は二学期の中間試験がありますから、そのときにまた、私の実力を披露してさしあげましょう。
「おめでとう、瑠璃華さん。本当におめでとう」
「ありがとうございます。でも奏さんも入賞してるからおめでたいですよ」
「あ、そうだっけ?でもなんか、自分の方は実感ないや。瑠璃華さんのお陰だよ。ありがとう」
「どういたしまして」
と、私と奏さんは話していました。
すると。
「…?」
と、私は無言で振り向きました。
何処かから、視線を感じたのです。
何奴、と思って振り向きましたが。
そのときには既に、視線を逸らされ、誰がこちらを見ていたのか分からなくなってしまいました。
皆、私ではなく、貼り出された成績上位者リストを眺めています。
すると、あることに気づきました。
ここは高校一年生の掲示板で、基本的には高校一年生を対象にした掲示物しか貼り出されません。
他の階の掲示板には、それぞれその学年の成績上位者リストが貼り出されているはずです。
それなのに、高校一年生の掲示板を見つめている生徒の中に、一人、三年生の男子生徒が混じっていました。
ちょっと離れた位置から、遠目に掲示板を眺めています。
…あの人、高一の掲示板なんか見て、何してるんでしょうか?
弟か妹でもいるんでしょうかね?
「?瑠璃華さん、どうかした?」
と、奏さんは尋ねました。
「いえ、何でもありません」
と、私は答えました。
彼が何の目的で、高一の掲示板を見に来たのかは知りませんが。
いかなる理由であろうとも、私には関係のないことです。
そう思って、私はその男子生徒を見なかったことにしました。
今は、目先の栄誉を喜ぶとしましょう。