アンドロイド・ニューワールド
「良い?君はとても優秀な子だ。私が統括している第4局の中でも、指折りの『新世界アンドロイド』だ。しかしそんな君には、致命的な欠点がある!」
と、局長は言いました。
「それは、君のその容赦のなさ、言葉のキツさ、人間味の欠片もないところ!そして、その容赦ない毒舌で、私の心をグサグサ突き刺してくるところだ!」
と、局長は言いました。
かなり興奮した様子です。
表情を観察してみたところ、何故か、ちょっと半泣きでもあります。
何故泣きそうなのでしょう。理解不能です。
「折角の美人なのに、飛び出してくる言葉がそんな毒舌ばかりじゃ、私の心が折れるよ!」
と、局長は言いました。
ここまで一貫して、局長は私の「致命的な欠点」についての説明をされたものと推測しますが。
残念ながら私には、それの何が欠点とみなされているのか、全く理解が出来ません。
それでも、何とか局長の言葉をまとめて解釈すると。
「…つまり局長は、私が局長の心を傷つける発言をすることが、私の欠点だと言うのですね?」
「え?いや…そういう訳じゃな…いやそうなんだけど」
どちらなのか分かりません。
「私相手だけじゃなくて、他の人にもね?結構グサッと来ることをよく言ってるよね?」
と、局長は言いました。
「残念ですが局長、私には、思い当たる節がありません」
「そう言うだろうと思って…翠(みどり)ちゃん!」
「は、はい」
局長は、第4局副局長である、朝比奈(あさひな)翠副局長を呼びました。
「教えてあげて。この間皆から聞き取り調査した結果を」
「え、ほ、本当に言うんですか?」
「うん!だって言ってあげないと、ヘレナちゃん分かってないんだもん!」
「…はい…」
と、副局長は言いました。
気が進まない様子に見えますが、副局長は白衣の内ポケットから、手帳を取り出しました。
なんと、あの手帳に、私に関する聞き取り調査の結果なるものが記されているそうです。
読み上げなくて結構なので、是非ともあの手帳ごと私に見せて欲しいものです。
「まず一件目…。局長が局長室の中で、チーズケーキを食べようとしているのを見たとき、ヘレナさんが言った言葉。『糖分の過剰摂取です。』」
「…」
「次に二件目。局長が勤務中、こっそりチョコレートを食べようとしてるのを見たとき、ヘレナさんが言った言葉。『局長の糖分への執着は、常人の域を逸していますね。』」
「…」
「それから三件目。局長が寝る前に、プリンを食べようとしているのを見たとき、ヘレナさんが言った言葉。『就寝前まで糖分を摂取するとは。車がガソリンで動くように、局長の身体は糖分で稼働しているのですか?』」
「…」
「…直近では、こんなところですかね」
…と、副局長は言いました。
…これが、私の致命的な欠点?
理解不能…いえ。
意味不明です。
と、局長は言いました。
「それは、君のその容赦のなさ、言葉のキツさ、人間味の欠片もないところ!そして、その容赦ない毒舌で、私の心をグサグサ突き刺してくるところだ!」
と、局長は言いました。
かなり興奮した様子です。
表情を観察してみたところ、何故か、ちょっと半泣きでもあります。
何故泣きそうなのでしょう。理解不能です。
「折角の美人なのに、飛び出してくる言葉がそんな毒舌ばかりじゃ、私の心が折れるよ!」
と、局長は言いました。
ここまで一貫して、局長は私の「致命的な欠点」についての説明をされたものと推測しますが。
残念ながら私には、それの何が欠点とみなされているのか、全く理解が出来ません。
それでも、何とか局長の言葉をまとめて解釈すると。
「…つまり局長は、私が局長の心を傷つける発言をすることが、私の欠点だと言うのですね?」
「え?いや…そういう訳じゃな…いやそうなんだけど」
どちらなのか分かりません。
「私相手だけじゃなくて、他の人にもね?結構グサッと来ることをよく言ってるよね?」
と、局長は言いました。
「残念ですが局長、私には、思い当たる節がありません」
「そう言うだろうと思って…翠(みどり)ちゃん!」
「は、はい」
局長は、第4局副局長である、朝比奈(あさひな)翠副局長を呼びました。
「教えてあげて。この間皆から聞き取り調査した結果を」
「え、ほ、本当に言うんですか?」
「うん!だって言ってあげないと、ヘレナちゃん分かってないんだもん!」
「…はい…」
と、副局長は言いました。
気が進まない様子に見えますが、副局長は白衣の内ポケットから、手帳を取り出しました。
なんと、あの手帳に、私に関する聞き取り調査の結果なるものが記されているそうです。
読み上げなくて結構なので、是非ともあの手帳ごと私に見せて欲しいものです。
「まず一件目…。局長が局長室の中で、チーズケーキを食べようとしているのを見たとき、ヘレナさんが言った言葉。『糖分の過剰摂取です。』」
「…」
「次に二件目。局長が勤務中、こっそりチョコレートを食べようとしてるのを見たとき、ヘレナさんが言った言葉。『局長の糖分への執着は、常人の域を逸していますね。』」
「…」
「それから三件目。局長が寝る前に、プリンを食べようとしているのを見たとき、ヘレナさんが言った言葉。『就寝前まで糖分を摂取するとは。車がガソリンで動くように、局長の身体は糖分で稼働しているのですか?』」
「…」
「…直近では、こんなところですかね」
…と、副局長は言いました。
…これが、私の致命的な欠点?
理解不能…いえ。
意味不明です。