アンドロイド・ニューワールド
コーヒーを飲みながら。

生徒会長は、色々と話しかけてきました。

「期末試験の結果、見たよ。久露花さんって、凄い頭良いんだよね」

と、生徒会長は言いました。

期末試験の結果…。

あの、掲示板に貼り出されていた成績上位者のリストですね。

そういえば、あのとき影で見ていた三年生の生徒。

あれは、この生徒会長だったのですね。

「凄いなぁ。俺、全科目満点なんか到底無理だよ。俺が卒業して、久露花さんが三年生になったら、生徒会に入ると良いよ」

と、生徒会長は言いました。

生徒会?

そんなもの、考えたこともありませんでした。

成績が良いと、生徒会に入れるんですか?

「それに、スポーツも出来るだよね?見たよ運動会のとき。一人でめちゃくちゃ走ってたじゃん。あれは凄かったなぁ」

と、生徒会長は言いました。

「あのときから、私を見ていたんですか?」

「見てたよ。初めて久露花さんを見たときから、美人だなぁと思ってたんだ。美人な上に頭も良くてスポーツも出来るなんて、本当完璧少女って感じ」

と、生徒会長は笑って言いました。

完璧少女。

あなたの言う完璧少女は、実はあなたより遥かに歳上なので、少女ではない上に。

自分の感情の名前すら分かっていないので、ちっとも完璧ではありません。

完璧になれたら、私は人間の感情を理解出来るのでしょうか。

「それでさ、もう告白するなら久露花さんしかいない!って思ったんだよね」

「そうですか」

「…それで、質問なんだけど」

と、生徒会長は言いました。

「質問?何でしょうか」

「君、何でいつも、あの車椅子の生徒と一緒に居るの?」

と、生徒会長は、平気な顔をして聞きました。

私にとっては、実に青天の霹靂の質問でした。

車椅子の生徒とは、言うまでもなく、奏さんのことでしょう。

何故、ここで彼の話題が出てくるのですか?
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