アンドロイド・ニューワールド
しかも、実にタイムリーな質問でもあります。
いつも一緒に…いたはずなのですが。
今は…。
…。
とはいえ、私が奏さんに接近禁止命令を出されたのは、昨日今日の話です。
それまではずっと、毎日言葉を交わしていたので。
生徒会長にとっては、いつも一緒にいるもの、と思われているのでしょう。
「何でと言われましても…」
「彼氏じゃないんだよね?勿論」
「はい。彼氏ではありません。友人…友人です」
と、私は言いました。
友人…で良いんですよね?そのはずですよね?
まだ…。
「友人ねぇ…。一体どんな経緯があって、あんな人と友達になったんだか…」
と、生徒会長は言いました。
とても胡散臭そうに。
…理解不能です。
「何故彼のことを、『あんな人』と言うのですか?」
と、私は聞きました。
その口調や声音から、生徒会長が奏さんのことを、良く思っていないのは明らかだったからです。
「あぁ、ごめん。別にそういう意味じゃないんだけど…」
「…」
「聞いたよ。彼の学年って、彼一人のせいで、修学旅行の場所変わったり。彼のせいでクラス対抗リレーで負けたりばっかして、凄い迷惑かけてたんだって?」
「…そのようですね。何が迷惑なのか、私には理解不能ですが」
と、私は言いました。
「個人の視点から見たら、確かに可哀想だと思うよ。彼が車椅子なのは、別に彼の責任じゃないんだし」
と、生徒会長は言いました。
私もそう思います。
「だけど、やっぱり集団から見たら、一人だけに気を遣わなきゃならないっていうのは、大変なことだよ。その一人の為に、集団全てに迷惑がかかるからさ」
と、生徒会長は言いました。
「生徒会に入って、それがよく分かったよ。彼みたいな異端者は、そこにいるだけでどうしても目につくし、特別な配慮も必要だし…。彼がクラスで敬遠されてるのも、仕方ないことだと思うね」
「…」
「でも久露花さんは優しいから、それが我慢ならなかったんだろ?本当優しいよね」
「…何が言いたいのですか?」
と、私は尋ねました。
何となく、これ以上彼の「ご講説」を聞くのが、嫌になってきたからです。
「いい加減、彼に構うのはやめようよ、ってこと」
と、生徒会長は、涼しい顔で言いました。
いつも一緒に…いたはずなのですが。
今は…。
…。
とはいえ、私が奏さんに接近禁止命令を出されたのは、昨日今日の話です。
それまではずっと、毎日言葉を交わしていたので。
生徒会長にとっては、いつも一緒にいるもの、と思われているのでしょう。
「何でと言われましても…」
「彼氏じゃないんだよね?勿論」
「はい。彼氏ではありません。友人…友人です」
と、私は言いました。
友人…で良いんですよね?そのはずですよね?
まだ…。
「友人ねぇ…。一体どんな経緯があって、あんな人と友達になったんだか…」
と、生徒会長は言いました。
とても胡散臭そうに。
…理解不能です。
「何故彼のことを、『あんな人』と言うのですか?」
と、私は聞きました。
その口調や声音から、生徒会長が奏さんのことを、良く思っていないのは明らかだったからです。
「あぁ、ごめん。別にそういう意味じゃないんだけど…」
「…」
「聞いたよ。彼の学年って、彼一人のせいで、修学旅行の場所変わったり。彼のせいでクラス対抗リレーで負けたりばっかして、凄い迷惑かけてたんだって?」
「…そのようですね。何が迷惑なのか、私には理解不能ですが」
と、私は言いました。
「個人の視点から見たら、確かに可哀想だと思うよ。彼が車椅子なのは、別に彼の責任じゃないんだし」
と、生徒会長は言いました。
私もそう思います。
「だけど、やっぱり集団から見たら、一人だけに気を遣わなきゃならないっていうのは、大変なことだよ。その一人の為に、集団全てに迷惑がかかるからさ」
と、生徒会長は言いました。
「生徒会に入って、それがよく分かったよ。彼みたいな異端者は、そこにいるだけでどうしても目につくし、特別な配慮も必要だし…。彼がクラスで敬遠されてるのも、仕方ないことだと思うね」
「…」
「でも久露花さんは優しいから、それが我慢ならなかったんだろ?本当優しいよね」
「…何が言いたいのですか?」
と、私は尋ねました。
何となく、これ以上彼の「ご講説」を聞くのが、嫌になってきたからです。
「いい加減、彼に構うのはやめようよ、ってこと」
と、生徒会長は、涼しい顔で言いました。