アンドロイド・ニューワールド
「でも、それが何か?俺は別に、間違ったことは言ってないだろ?」
「はい。間違ったことは言っていないのでしょう。しかし、『私は』あなたを間違っていると思いました」
「え…。何で?」
と、生徒会長は聞きました。
聞かれると思っていました。
だから、ちゃんと返事も用意してあります。
「人間は、互いに支え合わなければ生きていけない動物です。誰しもに何らかの長所と欠点があり、それをお互いに補い合いながら生きていく生き物です。決して、自分の力だけで生きていくことは出来ません」
「…何の話?」
「人間の話です。そして、私達『新世界アンドロイド』もまた同じです。人間の手を借り、人間に助けてもらいながら生まれ、育ち、今ここにこうして存在しています。人間より遥かに高いスペックを持つ『新世界アンドロイド』でさえ、完全に一人で生きていくことなど不可能なのです」
と、私は言いました。
すると。
「ちょ、ちょっと待って」
と、生徒会長は慌てて私を止めようとしました。
が、夜中中ずっとこの言葉を考えてきたので、言いたいことはとりあえず言わせてもらいます。
「だから、奏さんの存在を迷惑だと言うのは間違っていると思いました。集団の為に個を犠牲にする行為は、例え集団の在り方として正しい行為であろうとも、『私は』間違っていると思います。その証拠に私は昨日、あなたが奏さんについて迷惑がって話しているときのことを思い出して、怒りを感じました」
と、私は言いました。
怒りの感情なら、知っています。
集団の為に個を犠牲にする、そのやり方が気に食わなかったのではありません。
私の親友の奏さんを、足手まとい扱いするのが許せなかったからです。
だからこれは、完全に私の勝手な持論です。
「そして、奏さんに近寄るな、というあの指示。あれも身勝手だと思いました。私が奏さんを手助けするのは、優しさや親切心ではありません。私に心はありませんから。あれは、私がそうしたいから、正しいと思ったからしていたことです」
「う、うん分かった。ちょっと落ち着こうよ」
と、生徒会長は言いました。
生徒会長は、しきりに周囲をチラチラと見渡していました。
周りから、このような話を彼女としていると知られて、何か不味いことになるのかもしれませんが。
関係ありません。
周囲の人間は関係ない。これは、私と生徒会長の問題ですから。
「はい。間違ったことは言っていないのでしょう。しかし、『私は』あなたを間違っていると思いました」
「え…。何で?」
と、生徒会長は聞きました。
聞かれると思っていました。
だから、ちゃんと返事も用意してあります。
「人間は、互いに支え合わなければ生きていけない動物です。誰しもに何らかの長所と欠点があり、それをお互いに補い合いながら生きていく生き物です。決して、自分の力だけで生きていくことは出来ません」
「…何の話?」
「人間の話です。そして、私達『新世界アンドロイド』もまた同じです。人間の手を借り、人間に助けてもらいながら生まれ、育ち、今ここにこうして存在しています。人間より遥かに高いスペックを持つ『新世界アンドロイド』でさえ、完全に一人で生きていくことなど不可能なのです」
と、私は言いました。
すると。
「ちょ、ちょっと待って」
と、生徒会長は慌てて私を止めようとしました。
が、夜中中ずっとこの言葉を考えてきたので、言いたいことはとりあえず言わせてもらいます。
「だから、奏さんの存在を迷惑だと言うのは間違っていると思いました。集団の為に個を犠牲にする行為は、例え集団の在り方として正しい行為であろうとも、『私は』間違っていると思います。その証拠に私は昨日、あなたが奏さんについて迷惑がって話しているときのことを思い出して、怒りを感じました」
と、私は言いました。
怒りの感情なら、知っています。
集団の為に個を犠牲にする、そのやり方が気に食わなかったのではありません。
私の親友の奏さんを、足手まとい扱いするのが許せなかったからです。
だからこれは、完全に私の勝手な持論です。
「そして、奏さんに近寄るな、というあの指示。あれも身勝手だと思いました。私が奏さんを手助けするのは、優しさや親切心ではありません。私に心はありませんから。あれは、私がそうしたいから、正しいと思ったからしていたことです」
「う、うん分かった。ちょっと落ち着こうよ」
と、生徒会長は言いました。
生徒会長は、しきりに周囲をチラチラと見渡していました。
周りから、このような話を彼女としていると知られて、何か不味いことになるのかもしれませんが。
関係ありません。
周囲の人間は関係ない。これは、私と生徒会長の問題ですから。