アンドロイド・ニューワールド
更に。
その日は、初めて体育の授業がありました。
そこで私は、初めて体操着に袖を通しました。
防御性は皆無ですが、制服よりも機能性は確保していますね。
成程、運動をするには相応しい衣装です。
そして、初めて私は星屑学園の体育館に入りました。
『Neo Sanctus Floralia』の実験室と比べると、非常に狭いですが。
普段過ごしている教室よりは、遥かに広々としていて、開放的です。
窓が大きく、天井も高いですね。
女性の体育教師が言うには、本日の体育の授業は、バレーボールをするとのことです。
幸い、バレーボールのルールは知っています。
やったことはありませんが、ルールさえ分かっていれば何とかなるでしょう。
と、思っていましたが。
「はい、今日はサーブの練習するからね。二人一組でネット挟んで、サーブ打ち合って」
と、体育教師は言いました。
試合はせず、サーブの練習をするとのこと。
残念です。
私が落胆していると、周囲では、早くも仲の良いクラスメイト同士が、ペアを組んでいました。
ボーッとしていては、体育教師に怒られてしまいます。
私も早くペアを組んで、練習に参加するとしましょう。
すると。
「ねー、電波ちゃん」
と、湯野さんと悪癖お友達一行が、例の笑みを浮かべながら近づいてきました。
「何でしょうか」
「電波ちゃんって、アンドロイドなんでしょ?」
「勿論ですが」
「じゃあ、凄い身体能力高かったりするんじゃない?」
と、湯野さんに聞かれました。
よく解りましたね。
「はい。人間のそれと比べると、確かに比ではない身体能力を持っています」
「へーぇ。じゃあ折角だから見せてよ」
と、湯野さんに頼まれました。
私の秘密を教えて欲しいということですね。やはり友達です。
しかし。
「申し訳ありませんが、今は見せることが出来ないんです」
と、私は答えました。
「何で?」
「本当はそんな能力ないからでしょ?」
と、湯野さんと悪癖お友達が尋ねてきました。
「いえ、現在私は、『Neo Sanctus Floralia』からの命令で、身体能力を一般的な人間レベルに制限しています。つまり、セーフティ状況下にあるのです」
「…」
「人間に溶け込む為にも、『新世界アンドロイド』としての本来の身体機能は、制限しておいた方が賢明かと。ですから、見せることは出来ないんです。申し訳ありませんが」
と、私は丁寧に説明しました。
ですが、湯野さんと悪癖お友達一行は、
「ふーん。そういう設定な訳ね〜」
と、言いました。
信じていない様子です。
その日は、初めて体育の授業がありました。
そこで私は、初めて体操着に袖を通しました。
防御性は皆無ですが、制服よりも機能性は確保していますね。
成程、運動をするには相応しい衣装です。
そして、初めて私は星屑学園の体育館に入りました。
『Neo Sanctus Floralia』の実験室と比べると、非常に狭いですが。
普段過ごしている教室よりは、遥かに広々としていて、開放的です。
窓が大きく、天井も高いですね。
女性の体育教師が言うには、本日の体育の授業は、バレーボールをするとのことです。
幸い、バレーボールのルールは知っています。
やったことはありませんが、ルールさえ分かっていれば何とかなるでしょう。
と、思っていましたが。
「はい、今日はサーブの練習するからね。二人一組でネット挟んで、サーブ打ち合って」
と、体育教師は言いました。
試合はせず、サーブの練習をするとのこと。
残念です。
私が落胆していると、周囲では、早くも仲の良いクラスメイト同士が、ペアを組んでいました。
ボーッとしていては、体育教師に怒られてしまいます。
私も早くペアを組んで、練習に参加するとしましょう。
すると。
「ねー、電波ちゃん」
と、湯野さんと悪癖お友達一行が、例の笑みを浮かべながら近づいてきました。
「何でしょうか」
「電波ちゃんって、アンドロイドなんでしょ?」
「勿論ですが」
「じゃあ、凄い身体能力高かったりするんじゃない?」
と、湯野さんに聞かれました。
よく解りましたね。
「はい。人間のそれと比べると、確かに比ではない身体能力を持っています」
「へーぇ。じゃあ折角だから見せてよ」
と、湯野さんに頼まれました。
私の秘密を教えて欲しいということですね。やはり友達です。
しかし。
「申し訳ありませんが、今は見せることが出来ないんです」
と、私は答えました。
「何で?」
「本当はそんな能力ないからでしょ?」
と、湯野さんと悪癖お友達が尋ねてきました。
「いえ、現在私は、『Neo Sanctus Floralia』からの命令で、身体能力を一般的な人間レベルに制限しています。つまり、セーフティ状況下にあるのです」
「…」
「人間に溶け込む為にも、『新世界アンドロイド』としての本来の身体機能は、制限しておいた方が賢明かと。ですから、見せることは出来ないんです。申し訳ありませんが」
と、私は丁寧に説明しました。
ですが、湯野さんと悪癖お友達一行は、
「ふーん。そういう設定な訳ね〜」
と、言いました。
信じていない様子です。