アンドロイド・ニューワールド
『上々か!良かった〜』

と、久露花局長は言いました。

心から安堵したように見えます。

そんなに心配していたのでしょうか?

『それでそれで?お友達の方はどう?友達出来た?』

と、局長は聞きました。

一番の重要事項だと言っていましたからね。

一番気になるところなのでしょう。

「はい、出来ました」

と、私は答えました。

『えっ、出来たの!?』

と、局長は言いました。

何故か驚いた様子です。

自分から尋ねておきながら、何故驚くのか理解出来ません。

もしかして、私には友達なんて出来っこない、と思い込んでいたのでしょうか。

思い込みは、人の視野を狭めます。やめた方が良いでしょう。

常に、あらゆる可能性を考慮すべきです。

「はい、出来ました」

『ほ、本当に…。凄い。頑張ったんだね、瑠璃華ちゃん』

と、局長は言いました。

友達が出来たのは事実ですが、特に努力した覚えはありません。

全ては、湯野さんと悪癖お友達一行が、私に親切にしてくれたからこそ、友達になれたのです。

『良かった…。安心したよ、ねぇ翠ちゃん』

『はい…。良かったです』

と、副局長も言いました。

副局長も、私には、友達が出来ないと思っていたのでしょうか。

それほどまでに、私のスペックを低く見積もっていたのかと思うと。

私としては、とても不本意です。

しかし今回、私は見事に結果を出してみせたので。

それで局長と副局長も、私を見直してくれることでしょう。
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