アンドロイド・ニューワールド
「どうやら私は、皆さんに嫌われてしまっているのでしょうか?」

「ばっかじゃないの?このクラスで、あんたを好いてる人間が、一人でもいると思う?」

「さぁ。私は人間の気持ちが分からないので、不明です」

と、私は言いました。

が、それも湯野さんと悪癖お友達を、怒らせてしまったようで。

「もう二度と話しかけてないでくれる?」

と、湯野さんは言いました。

二度と話さない?

それでは、友達にはなれません。

「いえ、ですが私は誰か友達を、」

「喋んな。ウザいから消えて」

と、湯野さんは言いました。

消えて…ですか。

ステルスモードになれば、彼女の前から消えることは可能ですが。

残念ながら今の私は、通常モードに制限されているので。

湯野さんの要望に応えて、消えることも出来ません。

申し訳ないです。

そうなると私は、黙るしかない訳でして。

こうなったら、手話かジェスチャーで意思疎通を図ろうか、と思いましたが。

湯野さんと悪癖お友達一行は、さっさと私を置き去りに、教室から出ていってしまいました。

更に、他のクラスメイト達は何故か、こちらを見て、ニヤニヤクスクスと笑っていました。

何か面白いものでも見えたのでしょうか。

ともかく。

これで私は、一週間かけて作った友達を、失ったことになりました。

さて、これはどうしたことでしょう。
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