傾国の姫君
「なんだ!この女は!」

「さっきあんたに殺された男の妻で、子供の母親だよ!」

「ああ?家族で、秦王に歯向かう気か!」

「秦王が何だ!人を平気で殺す王なんか、認めてたまるか!」

すると役人は、私の腕を後ろに回し、膝を着かせた。

「如何致しますか、王。」

すると秦王は、私をじーっと見た。


この男が、私の夫と、息子を殺した張本人!


私はこれでもかと言うくらいに、秦王を睨んだ。

「この女!おまえも夫と子供の元へ行け!」

役人が刀を振り上げた時だ。


「捨ておけ。」

秦王がまた冷たい言葉を言い放った。

「は?今、何と。」

「捨ておけ。」

秦王のその一言で、私は身体は自由になった。

「行くぞ。」

そして、秦王の列が動き出す。
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