傾国の姫君
「これはどうだい?」

私は服を脱ぐと、類の手を自分の胸に当てた。

驚く類は振り返ると、舌をペロッと舐めた。

「夫以外の男に、抱かれる覚悟ができたか。」

「それで、秦王を虜にできるんだったらね。」

類は私を押し倒した。

「安心しろ。俺が、全部教えてやる。」

類は、私の首筋を舐めてきた。

「おまえはただ、感じればいいんだ。」


類が私の身体の中に入ってくる。

私は、言われた通りに、押し寄せる快感に、身を任せた。

これが、気持ちのない和合という物なのか。

ただただ、男に身を任せ、終わるのを待つのみだ。


「どうだ?」

行為が終わった後、類は水を飲んだ。

「どうもこうもないよ。ただ弄ばれた感じだね。」

「弄ばれたか。」

クククッと類は笑っている。

おまえさんは、女を抱いて喜んだだろうけど、こっちはただの行為だ。
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