傾国の姫君
見ると、照葉さんが血を流して倒れている。
「照……」
そしてハッとした。
近くに、類がいたからだ。
類が、やったんだ。
私の過去を消す為に!
私は、倒れた照葉さんをそのままにして、馬車に乗り続けた。
これでいいんだ。
過去がバレたら、秦王に近づけない。
慶文や正英の恨みも晴らせない。
ごめんね、照葉さん。
どうか、照葉さんの傷が浅く、助かりますように。
それだけを祈っていた。
馬車は、中央までの間に、野宿した。
お妃候補が呆れる。
宿もない中で、皆木の側に焚火をして、土の上に横になった。
「あんた、名前はなんて言うんだい?」
隣に寝ている子に、話しかけた。
「花香だよ。」
「照……」
そしてハッとした。
近くに、類がいたからだ。
類が、やったんだ。
私の過去を消す為に!
私は、倒れた照葉さんをそのままにして、馬車に乗り続けた。
これでいいんだ。
過去がバレたら、秦王に近づけない。
慶文や正英の恨みも晴らせない。
ごめんね、照葉さん。
どうか、照葉さんの傷が浅く、助かりますように。
それだけを祈っていた。
馬車は、中央までの間に、野宿した。
お妃候補が呆れる。
宿もない中で、皆木の側に焚火をして、土の上に横になった。
「あんた、名前はなんて言うんだい?」
隣に寝ている子に、話しかけた。
「花香だよ。」