ドS王子に秘密を握られた
 高崎君に手を引っ張られた。
 
 プールの掃除用具用の倉庫に2人で隠れた。
 狭くて密着していた。
 彼の吐息が耳にかかり、心拍数があがる。

「高崎くん?」
目の前を人が通った。

通り過ぎていった。
「こっちには、居なかった。帰ったのかな?帰ろうか。」
諦めて、女子たちは帰って行った。

『はあ。』
同時にため息ついた。
ちらっと、高崎君の方を見る。
キスされた。

『え?意味わかんない。』
勢いよく、掃除用具用の倉庫を出た。

「意味わかんないんですけど。」
「いや、あの状況でするなって方が無理。」
「爽やかで真面目な高崎君が言いますか?」
「俺、男だもん。」
「そうですか。」
胸が高鳴るのを必死に抑えて、普通ぶった。

「で、さっきの続きだけど、消さない。」
「ばらすの?」
「そんなことしない。
 ただ、杉山さんを、無茶苦茶にしたい。
 俺は、誰のことも好きにならない。
 でも、杉山さんに俺を好きにならせる。俺だけしか見れないようにする。」

「何?それ。」
言ってる意味わかんない。
キャパオーバー。

「一緒に駅まで行こう」
と誘われ、断ることはできず、後を歩いて行った。

駅に着くと
「スマホ貸して。」
逆らえない。渡す。
「俺の携帯番号登録しといたから、LINEできるね。よろしく。」
「あ、はい。」
また、キスされた。

「じゃあ、また明日。」
高崎くんは帰って行った。
私はモヤモヤしながら、帰ることにした。
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