独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
運よく向こうの俊たちには気づいていない様子。
「えっ!?なっ……何でもない!早く消毒しに行こうっ」
「え、あ、うんー?」
私は笑ってごまかしながら、亜莉朱ちゃんの背中を押して消毒シャワーへと向かった。
「ひゃっほーい」
はしゃぎながらプールで泳ぐ亜莉朱ちゃんの横で、私はあまり笑顔になれず、いつまでも暗い表情をうかべていた。
楽しいプールのはずなのに……
心はモヤっとしていて、さっきのことが頭から離れない。
今は何も考えたくない私は、ひたすら水の中を力つきるまで泳いだ……。