独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。




「どこか行きたいとこある?」


「んー、俊が連れて行ってくれるならどこにでも行きたいなっ」



好きな人が行きたい場所に、私も行きたいんだ。



なのに



「……ばか、」


「ふぇっ!?」



なぜか俊が不満そうな顔をする。


……今、ばかって言った!?


言ったよね!?
何でっ!



「僕は結々の行きたいとこに連れて行ってあげたいの」


「……へ、私の行きたいとこ?」


「そ、当たり前でしょ。誰も僕が行きたいとこ行きたくないし」


「ぜんぜんっ!!むしろ私が行きた──」



言葉の途中で、不自然なほどににっこりとほほ笑む俊。


でも、笑顔なのに目がぜんぜん笑ってなくて……


こ、怖いです。


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