独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
「ねぇねぇ、やっぱー
来週の花火大会って行くの?」
休み時間になると、前の席の亜莉朱ちゃんが、私を見てニヤニヤと楽しそうに笑う。
「えっ!?来週だっけ……」
「もぉ!頬をピンクに染めちゃって、かっわい彼女ねぇー」
「か、かわいくないよっ!!」
来週、夏休み入ると同時に花火大会もはじまるんだった。
せっかくなら、俊と一緒に行きたいとこだけどー……。
俊のほうをちらっと見る。
「少しくらい、勉強教えてくれったっていいじゃねぇかよー……」
「やだ。超絶めんどくさい。なんで僕がこーちゃんなんかに教えなきゃなんないの」
「矢追のケチ!!」
佐々木くんと俊がまた言い合っている。