独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
いつもと違う足元の下駄に少しだけ歩きづらい。
履きなれたサンダルにすればよかったかなー……。
「おまたせ、亜莉朱ちゃん」
ちょうど入口のとこで見つけた亜莉朱ちゃんに声をかける。
すぐそばには、スマホを操作する佐々木くんがいた。
「わ、ゆゆちゃん!?浴衣似合ってて、ちょーかわいいね!」
「えへへ、ありがとう」
「ほんっとかわいいわぁ~!!
これは矢追くんも妬いちゃうかもね」
「えっ!?そんなことないよっ!
そういう亜莉朱ちゃんだって浴衣美人……」
亜莉朱ちゃんの水色の浴衣生地には、白ユリの柄が入っている。
髪も横に結んでいて、大人っぽいお姉さんの雰囲気。