独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。



「しゅ、俊……!」


「どうすんの。変な虫が寄ってきたら」


「大丈夫だよっ!?私は、寄ってこられるほどそんなに浴衣美人じゃないもんっ」



少しフキゲンそうな俊に、私は苦笑いを返した。



心配するのなら、私よりも亜莉朱ちゃんのほうなのに。



抱きつかれた手は、まだ離れなくって。
そろそろ……心臓がこわれちゃいそうだ。



「そ、その……俊?」


「どうして、僕の言うこと聞いてくれないの」



怒ってるんだけど、甘いようなそんな声……。



束縛されているのに嫌な気がしなくて、逆に胸がキュンとなってしまう。



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