独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
「嫌だ、浴衣姿なんか。
しかもおだんご似合ってない」
「えぇー……」
俊の毒のある言葉が、胸にグサッグサッとつき刺さる……。
たまには、おだんごも浴衣の雰囲気に合ってていいのかなぁ、なんて。
思ってしてみたんだけど……
ダメでしたか、やっぱり。
きっと亜莉朱ちゃんだったら、おだんごヘアも似合うんだろうなぁ。
「こらこら、矢追くんイジワルしないのー。私たちは先に行ってるね!」
「お前ら、ふたりっきりで満喫しろよぉー。ばいびぃー」
「ありがとう!」
「はぁ、人混みだる……」
きっと2人とも気を使ってくれたんだ。