独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
「えっ!あ、ありがとう……!」
私が人混みのなか大変そうに歩いてるのを、まるでわかったかのように、俊は私をリードして歩いてくれた。
手をつないでいるせいか、人混みのなかでもとても安心する。
まるで俊が“離さないよ”って、言っているみたいで。
「ここなら花火。見れんじゃない?
人もそんなに座ってないし」
「そうだねっ。ここならいい感じかも」
誰も座っていない草原にゴザを敷いて、私と俊でならんで座った。
かき氷を食べながら、ソワソワした気分で花火を待つ。