独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。




「あ、始まるって」



さっきまで暗かった夜空に、大きな花火がヒューっと音を立てて打ち上がる。



「わぁ、きれい……」



思い出した。
去年も、ここらへんで見た気がするような……。



「ねぇ、結々」


「はいっ」



となりから聞こえてくる優しい声に、思わず胸がドキドキと高鳴っていく。



呼ばれる声に、私は花火から俊に顔を向けた。



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