独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。



「の、のどかわいちゃった!
私ちょっとジュース買ってくるねっ」


「え。それじゃ、僕も行く……」


「ううん、すぐもどって来るから大丈夫だよっ」



そう言って俊に背中を向けたあと、足早に屋台方面に向かって歩いて行く。



“今日の結々すごく綺麗だよ”



俊の言葉が、頭のなかで何度も響く。



あんな愛おしそうなまなざしでの、甘いキスはズルい……反則だ。



もうキュン死に確定だもん……。



ドキドキしすぎて、心臓がこわれちゃうかと思った。



思い出すたびに熱くなっていく顔を、夜風で冷ましながら、にぎやかな人混みを通りすぎた。



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