独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
「うん。どこも異状は見つからないね。このまま様子を見てもらって大丈夫だよ」
「あ、ありがとうございます」
ほほ笑むと、先生は病室から出て行った。
「俊、」
ベッドの横に置かれたイスに腰をかけて、名前を呼ぶけれど。
俊の目は閉じられたまま、昨日と同様びくりともしない。
おだやかな表情の俊に、ただ普通に眠っているようにしか見えなかった。
こんな風に名前を呼んで起こしても、目を覚まさないなんて。
いつもの俊なら……信じられないな。