独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
どうやら、これはいっこうに引いてくれなさそう。
私は仕方なく思いをうちあけることにした。
「記憶喪失の俊は、今より少し俺さまっぽい性格でね。亜莉朱ちゃんのことをきれいって……ほめてたの」
「え、ほんと?」
自分で言ってるのがはずかしくて、思わず俊の服をつよくにぎってしまう。
「もしかして、それずっと気にしてた?」
「……うん」
気にしちゃう……よ。
大好きな俊が他の女のコをほめるなんて。