独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
あれから、どれくらい2人で見ていたのかな。
オレンジ色の海を。
「ねぇ、俊……
気になることがあるの」
となりで一緒に体育座りをしている俊に、問いかけてみる。
「ん、どした?」
「あの日……」
事故が起こったあの日。
私だけが、まるで時が止まったように感じていた。
「あの日?……って、あぁ。事故が起こった日のこと?」
「うん……!その日って、どうしてそうなったのかなって」
じっさいに私が目撃したわけじゃないから、何も分からなくて。
ずっと俊の口から聞きたいと思ってた。
でもすぐには俊の口が開くことはなくて、少しの間沈黙が流れた。