独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。



「この漫画は、小6のときに亜莉朱がオススメって貸してくれた漫画でさ」


「そうだったんだ」



嬉しそうにほほ笑む佐々木くんに、私までなんだかほっこりとしてしまった。



「いつの間にか返しそびれて、今もこうしてヒマなとき読んでるみたいな?」


「何回読んでも面白いもんねっ!!あと……えっと、佐々木くんは亜莉朱ちゃんのこと好きだよね……?」


「……まぁーな。でも、俺が小学生のときにあいつから告白を受けて、それを男子に冷やかされちまってさ……。いまだに悔いが残ってるよ」



目を伏せながら、佐々木くんは漫画をぎゅっとにぎりしめる。


< 369 / 516 >

この作品をシェア

pagetop