独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
いつもかわいいけど、今日はとくにかわいさが渋滞している気がした。
……あーでも。
かわいすぎて、他の男が寄ってきたりしたら嫌だな。
まぁでも、そんなやつら僕がすぐ追いはらうけど。
「ねぇねぇ、これからどこに行くのっ?」
オレンジ色にライトアップされた街路樹を、手をつないで歩いていると、ふいに結々に聞かれる。
「んー、それは着くまで内緒」
僕は笑って答えたあと、ふたたび前を向く。
「えー!そんな風に言われちゃったら、ますます気になるっ」
「ふ、楽しみにしてて」