独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
「わぁー俊みて!きれいだね」
そんなことには気づかず、となりの結々はクリスマス仕様のショーインドウを楽しそうに見つめている。
「そうだね」
僕からしたら、結々の方が断然きれいなんだけど。
そんなことを思いながらしばらく歩いて、目的地にたどり着くと、結々がぱぁっと笑顔を輝かせてうっとりしたように前を見つめた。
「わっ!大きい……きれい!」
僕が見せたかったのは、噴水広場に立っている大きなクリスマスツリーだ。
今日が誰よりも楽しみだった。
結々のこの喜ぶ笑顔が見たくて、この日のデートのために何日も前から計画を立てていた。