Lie
絡まっていた嘘の糸が解けていく。ずっと被っていた仮面が剥がれそうになる。それが怖くて、「やめて!!」と萌は叫ぶ。
「ダメよ、そんなのダメ。綺麗な愛は現実じゃ手に入らないの!造花じゃなきゃ、綺麗な物語にならないのよ」
「こんなことをしてみんなを騙すのはもう嫌だ!あたしは背が高いし、顔だって男っぽいけど、でもあんたと同じ女なんだよ!?」
覆っていた仮面が完全に剥がれた。萌の目に映るのが、イケメンの完璧な彼氏ではなく、背の高い男物の服を着た女性へと変わる。
「ッ!」
絶望の雨が再び降り始める。煌めくことがなく、散々な日々が戻ってくる。ーーーそう、萌がインスタにアップしていた遊星との日常は全て嘘だ。
萌は社会人になる少し前まで、年上の彼氏がいた。彼は大企業に勤めていて、萌のわがままを笑って聞いてくれた。デートプランはいつだって完璧で、萌をいつも満足させる。おまけに英語が堪能で、顔立ちも整っている。まさに、童話の中の王子様のような人だった。萌はそう思っていた。
「ダメよ、そんなのダメ。綺麗な愛は現実じゃ手に入らないの!造花じゃなきゃ、綺麗な物語にならないのよ」
「こんなことをしてみんなを騙すのはもう嫌だ!あたしは背が高いし、顔だって男っぽいけど、でもあんたと同じ女なんだよ!?」
覆っていた仮面が完全に剥がれた。萌の目に映るのが、イケメンの完璧な彼氏ではなく、背の高い男物の服を着た女性へと変わる。
「ッ!」
絶望の雨が再び降り始める。煌めくことがなく、散々な日々が戻ってくる。ーーーそう、萌がインスタにアップしていた遊星との日常は全て嘘だ。
萌は社会人になる少し前まで、年上の彼氏がいた。彼は大企業に勤めていて、萌のわがままを笑って聞いてくれた。デートプランはいつだって完璧で、萌をいつも満足させる。おまけに英語が堪能で、顔立ちも整っている。まさに、童話の中の王子様のような人だった。萌はそう思っていた。