おどおど姫と甘い恋♡
「それじゃあ、がんばってくださいねっ」
「…、、」
俺の曖昧すぎる返事を強引に突破して、愛原さんは廊下を歩いて行ってしまった。
ふぅ~って、なんの溜息かよくわかんない息が出る。
教室に戻ったら、さっきと同じすぐ近くに、まだあずさとななちゃんがいた。
話したいくせに話せない俺は、素通りを試みる。
けど。
それはあずさによって、呆気なく阻止された。
「おっ、愛の告白でもされたか?」
アホか!っつーくらいの質問に、焦る。
ななちゃんの前で、余計なこと言うんじゃねぇ!
「、うる、せぇ…。」
「はぁ!?まじでされたの!?」
「、…ねぇよ、…んなの。」
聞くな。
まじでそういうこと、聞くな。
なんて、俺の好きな子がななちゃんだなんて知るわけもないあずさに、そんなこといくら思っても意味はない。
「っとに、ハッキリしない男だこと」
「…、されて、ない!」
無駄に恥ずかしくて……どんな顔してればいーのかわかんなくて……
集まってるヤマたちのほうに逃げた。
「おう、大ちゃん来た来た。始めようぜー」
「…ん、」
「あれ、大ちゃんさん顔赤くないですか?」
「……んなこと、ない。」
桑野の指摘を軽く流して、机を端に寄せて、旗を床に敷いて床に座り込んだ。