おどおど姫と甘い恋♡
「んじゃ、俺戻る。」
「おー、了解。ありがとなー」
そのまま講堂を出て、フラフラと廊下を歩き出す。
コーヒー牛乳買ってこっかなって思ったけど、教室に行ったらななちゃんいるかもしんねぇし、取りあえず早く教室戻ろって、足はそのまま真っ直ぐ進む。
講堂の、すぐ横にある倉庫。
いつもは閉まってる扉が、がっつり開いてる。
あんま入ったことない倉庫ん中がどーなってんのか、なんとなく気になって、歩きながらチラ見した。
1歩、2歩、3歩……倉庫を5歩くらい通り過ぎたあと、足が止まる。
「……ん、?」
多分、倉庫の中に、もりりんがいた。
足が、5歩分、……ムーンウォークみたいに、後ろ向きに戻ってく。
小さな豆電球が灯る、薄暗闇の中。
セクハラするには丁度よさそうな、その中……に。
「おー、お前も手伝うか?」
「……。」
背向けてるから顔は見えないけど……そこにいるの、やっぱりななちゃんじゃね?