おどおど姫と甘い恋♡



「……重い、しょ?」

「…、」



すんげぇ……今更、……


今更、すごい勢いで緊張してきた……。



「……。」

「、…」



1冊1冊、ななちゃんの手の中の本を取って、自分の手に移す。


どこまで持ってあげるべきか……持ちすぎなのか、持たなさすぎなのか……わかんねぇ。



むしろ全部持ってやるべき?


でも全部だと、この時間、すぐ終わっちゃうってことでしょ?



「…あ、もう、」

「こんくらい、……持て、る…?」



ななちゃんの手には、5冊の本を残した。


持たせすぎ?


や、でも、菊の弟もいないし、少しくらい、一緒にいるために、こんくらいなら、いい……よね?



「……持て、ます…」

「……ん。」



多分、……ななちゃんは人見知り。


大人しいんじゃなくて、俺みたいな知らない人間と、うまく会話ができない子。


だって女子たちといるときは、もっと元気でニコニコしてる感じだもん。


俺のこと、警戒してんのかも、だけど……都合のいい解釈で、人見知りってことにしておこう。


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