おどおど姫と甘い恋♡



「お前ら早く行けよー、校長に言われるの俺なんだからなー」

「知らねぇよ。手伝ってんだからジュースぐらい奢れや。」

「なんだお前ら、2人して仲良く同じこと言うなよ」


「……。」

「……。」



知んねぇし!


余計なこと言うんじゃねぇよ!



照れを隠すため、さっさと歩き出そうと思った、ら。



「あ…。」



動揺したまま動いたせいで、1番上の本が床にパサっと落ちた。



「あ、拾い、……マス」

「……ごめ、」

「…、だいじょぶ、です」



拾ってもらった本は、そのままななちゃんの手の中に戻った。


5冊から6冊に増えた本。


6冊は持たせすぎなんじゃないかって、悩みながらとりあえず廊下に出て歩き出す。


本当は全部持ってやりたいけど、それをしたら二人での手伝いじゃなくなるし……って。


ごちゃごちゃ考える心ん中は、やっぱりTHE・複雑。


< 123 / 166 >

この作品をシェア

pagetop