おどおど姫と甘い恋♡
6「ミサンガ」
決意を新たにしたものの、なにも行動に移せないまま……あの日から、数日が過ぎてしまった。
変わらなすぎる日常に、嫌気がさすけど。
でも、がんばるって決めたから。
遠慮はしないって決めたから。
今日の放課後こそ話かけようって、胸に誓った休み時間。
「ちょっとー、暇な人ー?あ、大ちゃんと佐伯、すっごく暇そうね!」
「……。」
ボーっとしてた俺と、青春ファンタをがぶ飲みしてたあずさが、りんちゃんに捕まった。
暇じゃねぇって言いたいところだけど、俺もあずさもクラスで1、2を争う勢いで暇そうな休み時間を過ごしてる。
「私暇じゃないんだけど」
「……。」
無駄だと悟って、俺でさえ言わなかったそのセリフ。
空気も読まず言えるあずさは……アホか?
「お願い、先生困ってるの!困ってる人ってほら、ほっとけないでしょ?」
「……。」
困ってるアピールをする人間は、ずりぃ…。
断ったら、すんげぇ悪い奴になった気分になるじゃん。