おどおど姫と甘い恋♡
「…、」
「……」
ぉ、……?
「すぐるーーー!早くしろやー!」
「…、」
雨ん中の、1年の教室の、中。
いきなり……あの子が、……ななちゃんが見えて、
焦って、咄嗟にあずさのほうに、歩き出した、けど。
目ぇ、合った?
今、こっち、見てた?
いや、今のは違う。
どう考えても勘違い。
雨で視界悪いし……大体、遠いし。
「ねぇ、つーかさ、菊って彼女できたの?」
「は?」
歩く雨ん中、早歩きのあずさが唐突に言った。
「今日の朝、女子生徒と一緒に学校来てたって、誰か言ってたから」
「知らね。」
「あいつ影でやることやってんだなー」
「……言い方。」
ビショビショで戻った校舎の中。
あんまりにも濡れたから、次の時間はジャージを着た。
あずさはパーカーのお陰であんま濡れてなくて、制服のままのうのうと過ごしてる。