おどおど姫と甘い恋♡



ダメって、わかってるのに、気になって。


好きだから、気になって。こっそり目を細めて、開けてみる。


ほんとに一瞬、……少しだけ。



一生懸命紐を結ぶ手が見えたから、すぐに目を閉じてまた耐える。


耐え難いぐらいのドキドキは、俺がミサンガつけてって言ったせいなのに。


想像以上の緊張感は……俺だけの、せい?


それとも、もしかしてななちゃんも緊張してる?


人見知りだから、こういうのも緊張すんのかもって、今更気づく。


無理矢理頼んだことに、ちょっとだけ罪悪感……。



「……でき、まし、た」

「……お。あんがと」



ゴツイ腕時計の隣に、青いミサンガ。


ななちゃんが編んだ、手編みのミサンガ。


手首が、しびれるみたいにくすぐったい。


つーかなにこれ。俺、まじで一歩、近づけてない?


いや、これ、一歩じゃなくて、十歩ぐらい近づけたんじゃない?


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