おどおど姫と甘い恋♡
「どしたの、それ」
「……。」
「自分でつけたの?」
「……。」
「早くね?つけんの」
なんも……言えねぇ。
こればっかりは……まじで言えねぇ。
「……」
「……。」
「あっそう」
「…、」
なに、が……。
なにが『あっそう』なのかわかんねぇから、あずさはまじで怖い。
バレたん、か?
ななちゃんもミサンガつけてるし、俺の好きな子、バレた、かも……
「ちょ、見てこのLINE!『雄介先輩って優しいですね♡』だって!やばくね!?俺、もしかして両思い!?」
お……雄介、両思いなんか?
「んなわけねーだろ。女が言う“優しいですね”はただの社交辞令。他に特徴がない男に使う決まり文句だっつーの」
「……。」
そう、なんか。
あずさの言葉は、ときたま……ほんとたまに、勉強になる。
「いやこれは完全両思いだろ!すげー笑ってくれるし!」
「それ、ただアホだなーって想われてるだけだろーよ」
確かに雄介はアホだから、あずさの意見に納得して笑ってた……ら。