おどおど姫と甘い恋♡



「どしたの、それ」

「……。」

「自分でつけたの?」

「……。」

「早くね?つけんの」



なんも……言えねぇ。


こればっかりは……まじで言えねぇ。



「……」

「……。」

「あっそう」

「…、」



なに、が……。


なにが『あっそう』なのかわかんねぇから、あずさはまじで怖い。


バレたん、か?


ななちゃんもミサンガつけてるし、俺の好きな子、バレた、かも……



「ちょ、見てこのLINE!『雄介先輩って優しいですね♡』だって!やばくね!?俺、もしかして両思い!?」



お……雄介、両思いなんか?



「んなわけねーだろ。女が言う“優しいですね”はただの社交辞令。他に特徴がない男に使う決まり文句だっつーの」

「……。」



そう、なんか。


あずさの言葉は、ときたま……ほんとたまに、勉強になる。



「いやこれは完全両思いだろ!すげー笑ってくれるし!」

「それ、ただアホだなーって想われてるだけだろーよ」



確かに雄介はアホだから、あずさの意見に納得して笑ってた……ら。


< 158 / 166 >

この作品をシェア

pagetop