おどおど姫と甘い恋♡



「絵の具足りないわ。俺買ってくるかな」



放課後の教室で、今日は真面目に作業をしているヤマが立ち上がった。


教室ん中には俺とヤマと、旗係りの1年が2人しかいない。


他のみんなは、不明。


まぁこんな日もあんだろって、4人で納得し合った放課後。


いつも思うけど、こんなんだからこの係り、作業進まねんだな……。



「赤と白と黒とー……」

「あと青もな」



4人だけの教室の入り口に、人の気配。


一瞬の隙に察知したのは……あの子が来たってこと、だけ。



「じゃあ俺ら買ってくるわ」

「ん。」



ヤマが1年を1人連れて、ドアへと向かう。


2人が歩く先には、きっと、あの子がいる。


のに。


緊張して……見れない。


つーか、怪しまれそうで見れない。



「あ、雑用ちゃんたち、ご苦労さん」



は?


なに、ヤマ。


なに話しかけてんの……


は??


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