おどおど姫と甘い恋♡
「昼だー!」
授業が終わるなり、前の席の頭がむくっと上がって、雄介は叫ぶ。
「大ちゃん学食?」
「うん。」
「うし!今日の日替わり、なんだろなー」
「今日は肉食う。」
「よっしゃ、早く行って席取ろーぜ」
早々に、雄介と1階に下りた。
菊たちはトイレ寄ってから行くって、俺と雄介だけで廊下を歩く。
学食までの、渡り廊下。
早すぎるから、人はまだあんまり集まってない……静かな廊下。
昼の渡り廊下は、日差しが強くて、眩しい。
5月なのに、この中だけは暑いくらい。
「……、」
いつもの場所で、立ち止まる。
雄介を無視して、立ち止まる。
立ち止まって、その場所から見上げるのは……
1年生の……廊下。